小ネタ-小説
「その時計壊れてるヨ」 それでもデザインがすごく気に入って台湾の露店で買った懐中時計。 ネジ巻き式で動くそれは正しく時を刻み、一見壊れていないように見えた。 ただ、ネジをいっぱいに巻いて数時間で止まることもあれば1日近く機能してくれることもあ…
第1話はこちら↓ fukuneko.hateblo.jp 「あ、ご新規さん」 作業中のタブレットの画面に、ディグリードの発送指示が通知された。 「寒がりさんかな?暑がりさんかな?この時期の登録だとやっぱり寒がりさんかなぁ」 喋りながらも手は既に発送準備を進めている…
まだ気まぐれ小説が続いています。 -------------- 「う~寒っ」まだ4時過ぎとはいえ既に陽が傾き始めた1月下旬、風呂で暖まるには申し分ない。 バイクのキーを回し、チョークを引いてエンジンをかける。この寒さでバッテリーが上がっていないことに安堵する…
その週の土曜日の15時過ぎ、その機器は届いた。思っていたより小さく、メール便での配送だった。 晴れてはいるがやはり今日も寒い。借りていたDVDを返しに行ったついでに、値下げ中の牛丼屋で遅めの昼飯を取って帰ってきたところでポストに入っているそれを…
「あなたの熱量、大切にお預かりします。放出ロス無し!0.1度からOK!」 そんなネット広告を見つけたのは、作ったカップ麺の湯気がもうもうと立ち込め持ち上げた途端冷めてしまうような記録的な寒さの日だった。 お湯を沸かしながらSNSのニュース部分を流し…